温度計の要と言えるセンサーは、使用していると劣化や破損が起こる恐れがあります。その場合、測定した数値が正しいかどうか分からず、測定自体が意味がなくなるかもしれません。最悪の場合は、製品の品質を保証できなくなり回収などの必要性も考えなければいけません。そうならないためには、壊れていないことを証明する必要があります。
それが校正と呼ばれるものです。校正によって温度計もセンサーも適切あることが保証されます。その方法は国家標準やそれに準ずるものと同じものを測定して、同じ結果になるかを確認することです。もし違いがあるようなら壊れている恐れがあります。
多少のズレなら温度計の調整で対応できることもありますが、その逸脱の大きさによっては、それまで測定してきた製品への影響を検討しなければいけません。基本的に悪くなるのはセンサーの方で、経年や消耗によって正しい値が出なくなってしまいます。熱電対の場合は接合面の劣化で発生することが多く、そのまま放置しておくと剥がれてしまうようなこともあります。校正自体は決まった決まった間隔というものが決まっているわけではありません。
年に1回行うことが多いようですが、この間隔は保証できる期間と同じことになるので、よく考えて決めなければいけません。万が一、校正で不適合が出た場合には、前回からそれまでの製品に問題があった恐れがあるので、回収対象が多くなってしまいます。自社校正なども併せて適切な頻度で行いましょう。
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